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メタボが気になる! 脂質の検査から見えるコト

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第4回 遊離脂肪酸

遊離脂肪酸の検査でわかること

[2014/08/21]

今回は遊離脂肪酸についてのお話です。第1回第2回のコレステロールや第3回の中性脂肪と違い、あまり聞きなれない「遊離脂肪酸」。一体どんな検査なのでしょうか?

まずは、遊離脂肪酸について簡単に説明しましょう。遊離脂肪酸は、血液中において体内の糖代謝、脂質代謝などに関与しているアルブミンと脂肪酸が結合した物質で、非エステル化脂肪酸(NEFA:Non-esterified Fatty Acid、FFA:Free Fatty Acid)とも呼ばれています。
ちなみに中性脂肪は、「遊離脂肪酸」と「グリセロ-ル」という脂質成分からできています。体内の脂質代謝において必要に応じて、中性脂肪が合成されたり遊離脂肪酸とグリセロールに分解されたりしているのです。

遊離脂肪酸の血中濃度は、いくつかのホルモンによって調節されています。アドレナリン・副腎皮質刺激ホルモン・甲状腺刺激ホルモン・成長ホルモン・グルカゴンなどにより上昇し、インスリンやプロスタグランジンなどにより低下します。血中より肝臓、筋肉など末梢組織へ取り込んでエネルギーとして消費され、あるいは、脂肪組織にある中性脂肪を分解して血中へ放出されるなどして調節されます。

実は、脂質異常症の検査としては、これまでのコラムで解説したLDLコレステロールや中性脂肪がよく用いられ、遊離脂肪酸は一般的な脂質異常症の検査としてはあまり用いられていません。では、何を調べるための検査項目かというと、糖尿病や肥満、甲状腺機能などを調べるために用いられます。

これらの基準値は、検査する施設により多少数値が異なることがあります。
また、食事など検査前の状態によっても検査値に影響しますので、注意が必要です。

では、次ページで糖尿病や肥満と遊離脂肪酸の関係について説明していきたいと思います。

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