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メタボが気になる! 脂質の検査から見えるコト

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第3回 中性脂肪(トリグリセライド)

中性脂肪の検査でわかること

[2014/04/11]

第1回第2回はコレステロールについて解説しましたが、今回は中性脂肪についてのお話です。
「健康のために、中性脂肪を減らさなきゃ」と考えている方は多いと思いますが、中性脂肪とは一体どんなものでしょうか?

中性脂肪とは、コレステロール、遊離脂肪酸、リン脂質と同じように、血液中に溶けこんでいる脂質成分のこと。
脂肪酸3分子とグリセリンが結合した物質で、「トリグリセライド」とも呼ばれます。
中性脂肪は、糖質、炭水化物、脂肪などから合成され、エネルギーの源になります。ただし、エネルギーとして使われなかった余分は、肝臓や脂肪組織(皮下脂肪)に貯蔵されます。

中性脂肪には、食事によって摂取される「外因性の中性脂肪」と、体の中で合成される「内因性の中性脂肪」があります。
外因性の中性脂肪は、カイロミクロンという物質によって体中に運ばれます。一方、内因性の中性脂肪は、肝臓で合成され、VLDL(超低比重リポタンパク)という物質によって血液中へ運ばれます。

健康診断の結果、もしも中性脂肪の値が低ければ、肝機能が低下しているかもしれません。
上記のように、中性脂肪は肝臓で合成されるので、肝炎や肝硬変などによって肝機能が低下すると、その値は低くなるのです。このほか、無β-リポ蛋白血症、甲状腺機能亢進症、副腎皮質低下症などでも低下する傾向があります。

一方、中性脂肪の値が高いということは、アルコールの過剰摂取や肥満の疑いがあります。
と言うのも、アルコールや糖質を摂取しすぎたり、肥満によって脂肪酸が放出されたりすると、中性脂肪がたくさん合成されるからです。このほか、リポ蛋白リパーゼ欠損症、脂質異常症、糖尿病、甲状腺機能低下症などでも、値は上昇する傾向があります。
中性脂肪の値が上昇すると、HDLコレステロールが低くなり、LDLコレステロールは高くなり、動脈硬化のリスクが高くなります。また、中性脂肪が極端な高値(1000mg/dL以上)となると、急性膵炎のリスクも高まります。

中性脂肪の値は、低すぎても、高すぎても、注意が必要です。
なお、中性脂肪の値は、女性よりも男性の方が高い傾向があり、加齢とともに高くなります。さらに、高脂肪・高カロリーな食事を摂りすぎたり、アルコールを飲みすぎたりしても、高くなってしまいます。
ちなみに、中性脂肪の値は、食事の後は大幅に上がる特徴があります。空腹時に採血を行うのは、中性脂肪の値を正しく測るためなんですね。

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