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メタボが気になる! 脂質の検査から見えるコト

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第2回 コレステロールの検査方法

2種類の検査方法と、新しい指標「nonHDL-C」

[2013/12/12]

LDLコレステロールの検査方法には、「直接法」と「フリートワルト法」の2種類があります。
「直接法」は、LDLコレステロール値を直接測定する方法。「フリートワルト法」は、総コレステロール・HDLコレステロール・中性脂肪の値から、LDLコレステロールの値を算出する方法です。

フリートワルト法は1972年に発表されました。現在、日本以外のほとんどの国が、フリートワルト法を活用しています。
一方、直接法は、フリートワルト法の後に発表されました。現在の日本では、この直接法が検査方法の主流となっています。

直接法には、ある欠点があります。それは、検査試薬をあつかうメーカーや検体の状態によって、検査の結果が異なる場合があることです。それを考えると、「直接法はフリートワルト法よりも優れている」とは、言いにくいところがあります。

かといって、フリートワルト法が完ぺきなわけでもありません。
フリートワルト法には、トリグリセライド(中性脂肪)の濃度が400mg/dLを超えると、精度が落ちてしまうという欠点があるのです。
そのため、トリグリセライド(中性脂肪)が400mg/dLを超えることが多い糖尿病やメタボリックシンドロームの患者に対しては、フリートワルト法は適切といえません。

そこで、新たに導入されたのが、nonHDL-C(ノンHDLコレステロール)という指標です。
nonHDL-Cの値には、LDLコレステロールの値だけでなく、動脈硬化を引き起こすすべてのコレステロールの値が含まれています。
nonHDL-Cは、総コレステロールとHDLコレステロールの値から簡単に計算することができます。このほか、食後採血からも使用できる点、高トリグリセライド血症の人にも使用できる点など、さまざまな利点をもっている指標なのです。

このように、コレステロールに関する検査には、複数の方法があり、それによって値が変化することもあります。
検査結果を見るときは、検査方法や各コレステロールの構成成分に注意することが大切です。

 

著者プロフィール:堀 行雄(臨床検査技師)
2000年インクロムの提携医療機関に入職して以来、臨床検査室で忙しく検体検査をする日々。年間およそ5,000人分の血液を分析。

 

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