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脂質異常症とは?
コレステロールを知ろう
善玉・悪玉コレステロールの本性は?
いわゆる「善玉・悪玉コレステロール」と呼ばれる物は、実は「コレステロール分子」そのものの事ではありません。
コレステロールは血液中を運搬される時にたんぱく質と複合し「リポ蛋白」(たんぱく質と脂質の結合体)となります。
この「リポ蛋白」はたんぱく質の含有割合の違いにより、1)HDLコレステロール(高比重リポ蛋白)、2)LDLコレステロール(低比重リポ蛋白)、3)VLDLコレステロール(超低比重リポ蛋白)、4)カイロミクロンに分類されます。
さてここでこの4つのうち、「HDLコレステロール」と「LDLコレステロール」の2つの働きに注目してみましょう。
まず「HDLコレステロール」ですが、体の隅々に渡る血管壁にたまってしまった余分なコレステロールを抜き取って肝臓に運ぶという作用を持っています。俗に「善玉コレステロール」と呼ばれるのはこのためです。
一方それとは逆に「LDLコレステロール」は、肝臓のコレステロールを体の隅々に運んでしまうという働きがあります。そのため「悪玉コレステロール」と呼ばれているのです。
コレステロールの種類
- HDLコレステロール 高比重リポ蛋白(俗名:善玉コレステロール) 構成:たんぱく質40~55%
特徴:身体の各組織からコレステロールを肝臓に運ぶ - LDLコレステロール 低比重リポ蛋白(俗名:悪玉コレステロール) 構成:たんぱく質低比重
特徴:身体の各組織にコレステロールを運ぶ - VLDLコレステロール 超低比重リポ蛋白 構成:たんぱく質超低比重
特徴:肝臓で生産された中性脂肪を組織に運搬し、血液中で「LDLコレステロール」に変化 - カイロミクロン 構成:たんぱく質2%・脂質98%
特徴:食物から吸収した中性脂肪を各組織に運ぶ
コレステロールのその他の役割
コレステロールの役割をさらに詳しく見てみることにしましょう。
- 脳活動の活性化 体内に存在するコレステロールの1/4が脳に集中。その大部分は、脳から各器官へ神経情報の伝達をスムーズにする髄鞘の構成物質である「ミエリン鞘」に存在し、脳の活動を助長する。
- 血液循環を促進する たんぱく質などと結合し、水溶性の「リポ蛋白」として血管の内側に張り付き血管を保護する。
- ホルモンの原料となる 「ステロイドホルモン」を、副腎皮質、精巣(アンドロゲン=男性ホルモン)、卵巣(エストロゲン=女性ホルモン)、胎盤(プロゲステロン=黄体ホルモン)で生産する。
- 生体膜を形成する 細胞膜にハリを与え安定させる。
- 脂肪の消化を助ける 胆汁酸を生産して脂肪を水に溶けやすくし、十二指腸で膵臓から分泌される消化酵素「リパーゼ」を活性化して脂肪の消化吸収を促進する。
- ビタミン形成 ビタミンD前駆体の原料となる。