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健康コラム

やる気が湧かない、面倒くさい… もしかして「六月病」かも?

新年度がスタートして2ヵ月が過ぎたころ、この時期に真面目な頑張り屋さんほど気をつけたいのが「六月病」です。「五月病」ならぬ「六月病」とは、どのような症状なのでしょうか。六月病の具体的な症状やセルフチェックの方法、対策を紹介します。

 

六月病とは?その原因は?

一般的には「五月病」という言葉が広く知られています。進学・就職や人事異動でガラリと変わった生活で知らないうちに疲れやストレスを蓄積し、ゴールデンウィーク明け頃に気力が湧かなくなるという状態です。しかし最近は、新社会人の場合は新人研修が終わり配属部署での業務が始まる6月に「五月病」になるケースが増えています。そのため「六月病」とも呼ばれるようになりました。

六月病は、医学的には「適応障害」の一種と考えられています。環境の変化についていけず、さまざまな不調をきたす状態で、具体的な原因には以下の場合が挙げられます。
・一人暮らしや生活リズムの変化になかなか慣れない
・学校・会社で人間関係が思うように築けない
・受験や就活で目指したゴールにたどりつき、解放感がある
・次に目指す目標を見失っている
・思い描いた生活と現実にギャップがある

 

六月病の症状とは?

六月病では、心身にこんな症状が現れます。

《心の症状》
やる気が湧かない、面倒で気が進まない、気持ちの落ち込み、不安や焦り、イライラ、判断・思考・集中する力が落ちている、好きだったものに興味が持てなくなる など

《体の症状》
めまい、吐き気、重い肩こり・頭痛、食欲がない、便秘・下痢・腹痛、疲れやすい、体が重い、夜なかなか眠れない、眠りが浅い、目覚めが悪い など

まじめで几帳面、気持ちが繊細な方やいろいろと考え込んでしまう性格な人ほど、六月病にかかりやすくなります。自分ではすぐに六月病だと気づきにくいので、まずはセルフチェックしてみるのもよいでしょう。

 

六月病かなと思ったら、セルフチェックを

あなたの生活を振り返って以下のような行動をしていませんか?
六月病のセルフチェックをして、まずは自分の症状を知りましょう。

□誰かに会うのが面倒で、ドタキャンを繰り返してしまう
□いつまでも悩んでネガティブになってしまう
□しっかり眠れない日が続いている
□出かけるときのコーディネートが面倒
□学校や会社に向かう前や移動中に具合が悪くなる
□趣味がおっくうになっている
□気持ちが重く、遅刻や欠勤が増える
□あいさつなど日常生活で交わす言葉を言い忘れる
□仕事のミスが増え、効率が落ちた
□見るのが習慣だった番組・雑誌が見たくなくなった

 

六月病対策にはストレス解消を

六月病になった場合の対策には、自分なりのストレス解消法を見つけてONとOFFをしっかり切り替えることが大切です。ストレス解消法の一例を紹介します。

《軽い運動》
精神の安定や意欲には脳内の神経伝達物質セロトニンの働きを良くする必要があります。そのためにはウォーキングなどの有酸素運動が有効です。学校や会社からの帰りは一駅分歩いてみるなど、習慣化するとさらに効果的です。

《湯船に浸かる》
バスタイムはシャワーだけで済ませず湯船に浸かることが重要です。38度から40度のぬるめの湯が副交感神経を優位にし、浮力に身を任せることでリラックスを実感できます。

《映画などを見て泣く》
最近は「涙活」という言葉が登場しました。悲しみや感動の涙を流すことで副交感神経を優位にし、ストレス解消を図る活動が広がっています。
おすすめの泣ける作品
【映画「ぼくたちの家族」(監督:石井裕也/主演:妻夫木聡/2014年)】
母親の病気を機に、バラバラだった家族が家族の絆を取り戻していく物語。
人の優しさに触れ涙し、エンディングでは清々しい余韻が残るという展開が
リフレッシュにぴったりです。
【漫画「ちはやふる」(末次由紀/2007年~)】
一見マイナーな競技かるたをテーマにした物語ですが、
少年漫画に引けを取らない熱い作風に涙を流す人多数。

 

六月病が長引く場合、うつ病の可能性も

六月病になりやすい、真面目で頑張り屋さんの特徴は、うつ病になりやすい人の要素とも重なります。ストレス解消法を試しても症状が長引く場合は、うつ病も疑い対策を打つ必要も出てきます。
まずは、うつ病に関する以下のチェックリストを試してみてください。

<うつ病チェックリスト>
アメリカの精神医学界が作成したDSM-Ⅳという判定基準をもとにしたチェックリストです。次の9つの症状のうち5つ以上が当てはまり、(1,2のどちらかは必ず)、それがここ2週間以上つづいていればうつ病の可能性が高いと考えられます。
1.抑うつ気分がほとんど毎日のように続いている
2.楽しいと感じることがなにもない。無気力でなにに対しても興味がわかない
3.食欲がない
4.よく眠れない
5.イライラする
6.疲れやすくて、カラダがだるい
7.いつも自分を責めている
8.集中力がなく、なにかを考えることができない
9.死にたいと思うことがよくある

 

六月病は時期がくれば、徐々に治るものですが、そのままうつ病になってしまうケースもあります。そうなると、治療期間も長くなってしまうため、できるだけ早期の段階で気づき、対処することが大切です。
もし、うつ病かもしれないと思ったら、一人で悩まずに専門家に相談を。産業医に相談したり、精神科、メンタルヘルス科、またはメンタルクリニックと標榜している医療機関を受診しましょう。