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健康コラム

日常の動きで運動不足を解消、病気を防ぐ

寒い季節は運動不足に陥りやすい

寒い季節になると体も縮こまりがち。つい動くのがおっくうになったりして、冬は運動不足になりがちな季節といえそうです。運動不足が体によくないのは誰でもわかっていることですが、運動不足そのものが体にどんな影響を及ぼすのかについては、意外と理解していない方も多いのでは?

「運動不足=太ってしまう?」と考えている方は多いかもしれませんね。確かにその可能性は大いにアリ!です。でも、それだけではありません。長年運動不足の状態を続けると、下記のようにさまざまな症状が現れやすくなります。
◎糖尿病、高血圧などの生活習慣病
◎循環器系の疾患(心臓病、脳卒中)
◎基礎代謝の低下による冷え症
◎免疫力の低下
◎慢性的な疲労
◎胃腸機能の低下による便秘
◎肌荒れ
◎血液循環の不全による肩こり
また、運動不足でストレスが発散できない状態が長く続くと、夜眠れなくなったり、うつ病など心身症を発症してしまうこともあります。

 

運動不足とメタボ――。運動不足は肥満より怖い

さらに怖いデータがあります。不健康の代名詞ともいえる「肥満」を抱える人たちよりも、高い死亡リスクを抱える人たちがいます。それがなんと、運動不足な人たち。運動不足と認められる人たちの死亡リスクは、肥満の人たちの2倍であるというのです。

これは、ケンブリッジ大学の研究チームが12年間にわたって約334,000人の男女を対象に調査を行い、解明したことです。研究結果によると、BMI値(肥満度)を下げることで、人は死亡リスクが3.66%減少するとのこと。また、「あまり運動しない」、あるいは「まったく運動しない」人が1日20分程度の早歩きを続けると、死亡リスクは7.35%少なくなると推定できるということです。
この数字から運動による死亡リスク低減は、肥満度を下げるよりも倍の効果があることが分かります。

また性別で見ると、特に女性は男性よりも活動量が少なく、運動不足の傾向が多く見られるようです。

 

気軽に続けられて効果的な運動とは

まずは早歩きから始めよう

運動は、日常的に継続して行うものです。「よし、やるぞ!」と急に張り切って体を動かしたり目標を高く掲げすぎても、すぐ疲れて止めてしまいがち。途中で止めてしまっては意味がありません。

できる範囲の運動量からスタートすべきですが、では、どのくらいの運動を毎日こなせばいいのでしょうか。先述のように、1日20分程度の早歩きが死亡リスクを減らしたわけですが、普段まったく運動をしない人でもこの程度の運動ならばそれほどつらくはないでしょう。20分程度の早歩きといえば、距離にして1.7kmから2kmといったところです。通勤の際、一駅手前で降りて歩けば、概ねこの程度の運動量は毎日こなすことができるはずです。

運動をしない理由の一番は「時間がない」です。しかし、通勤時間をそれに充てれば、わざわざ運動のための時間を取る必要がありません。まずは、このあたりから始め、習慣付けていくようにしてはいかがでしょうか?

こうしたウォーキングに慣れてきたら、徐々に歩く時間、距離を延ばしていきます。ウォーキングは、関節に負担がかからず、心肺機能を向上させることが可能です。また、下半身を使うことで血液循環がよくなって代謝も向上してきます。

ウォーキングのコツ 詳しくはこちら
[糖尿病 運動] セーフティウォーキングのススメ-第2回 足腰に負担をかけない歩き方

筋肉量も増やしたい

運動が苦にならなくなったら、少しずつ筋力アップの運動を取り入れていくことをおすすめします。筋肉量が増えると同じ運動でも消費するカロリーは多くなり、体も痩せやすくなります。

わざわざ体を動かすことを目的とした時間を取らなくても、日常の行動の中で運動効果を高めることはできます。エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を上る、電車では座らずに立つなどはよく言われることです。ぜひ自分なりの工夫で運動不足を解消してください。

筋トレのコツ 詳しくはこちら
 [糖尿病対策] 体脂肪を減らす!筋トレのススメ-第4回 効果的な筋力トレーニングとは