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健康コラム

もうすぐバレンタインデー!健康になれるチョコレートの食べ方

もうすぐバレンタインデーですね。甘党の方は、お店に並ぶさまざまなチョコレートを見て、うきうきしているのでは? 誰かに渡すチョコレートだけでなく、自分用のチョコレートを買いこんでしまう人もいるかもしれませんね。
嗜好品として楽しまれているチョコレートですが、実は美味しいだけはありません。近年ではチョコレートの成分研究が進み、健康にも効果的であることがわかりました。今回は、チョコレートがもたらす健康効果と正しい食べ方についてお伝えします。

 

カカオポリフェノールがもたらすさまざまな健康効果

チョコレートの代表的成分は、たんぱく質、脂質、糖質、食物繊維、ミネラル、テオブロミン、そして、カカオポリフェノールです。近年の研究では、カカオポリフェノールがもたらすさまざまな健康効果が報告されています。その代表的な効果をご紹介します。

(1)血圧を下げる
血管内部に炎症が発生している場合、血管が狭くなり、赤血球が通りにくくなります。
そこに、カカオポリフェノールが作用すると、血管内部の炎症が軽減され、赤血球が通りやすくなり、結果、血圧を下げることができます。

(2)動脈硬化予防
脳卒中や心疾患の原因の多くは動脈硬化です。動脈硬化は、悪玉コレステロールが活性酸素の影響で酸化しはじめ、動脈を傷つけることで発症します。カカオポリフェノールが持つ抗酸化作用は、この悪玉コレステロールの酸化を防ぎ、血液の流れを改善。動脈硬化を予防します。

(3)ストレス予防
ストレスは人が生きていく上で避けられないものです。ストレスが原因で発症する疾患は、心臓病をはじめ、消化器官の疾患、肩こり、眼精疲労、精神疾患と全身に及びます。カカオポリフェノールに含まれるテオブロミンは、ストレスホルモンの分泌を抑え、自律神経を調整する作用を持つため、リラックス効果があります。

(4)美容効果
ストレス状態や紫外線を浴び続けることで、活性酸素は増加します。増加した活性酸素は肌や身体にダメージが与えるため、肌荒れの原因となります。カカオポリフェノールが持つ抗酸化作用は、増加した活性酸素を抑える働きがあるため、肌荒れや老化予防にも効果的です。また、チョコレートの原料カカオには、カカオプロテインと呼ばれる難消化性タンパク質が含まれています。これは整腸作用があり便通改善にもつながります。

(5)脳の活性化
人は記憶や判断を行うために、脳の中にある神経細胞が活動します。この神経細胞を支える栄養分がBDNF(Brain-derived neurotrophic factor)です。カカオポリフェノールには、脳の血液量を増やす力があります。BDNFを含む血液量が増加すると、脳の活性化につながります。

 

健康効果を高めるチョコレートの摂取方法

チョコレートの成分であるカカオポリフェノールは吸収性が早いため、一度に大量摂取するのではなく、毎日、何回かに分けて摂取するのが良いでしょう。たとえば、1日25g(約150kcal)を5gずつ5回に分けて食べるのがおすすめ。25gは、板チョコレートの3分の2程度にあたります。平成26年に愛知県蒲郡市・愛知学院大学・株式会社明治の産官学が共同で実施した実証実験でも、この分量を摂取することで血圧低下や脳の活性化につながることが報告されています。

チョコレートを食べても太らない?

チョコレートが肥満と直接的に関わるわけではありません。チョコレートの原料であるカカオ豆には脂肪分が含まれていますが、多くはステアリン酸と呼ばれる脂肪酸です。このステアリン酸は体内に吸収されにくい性質を持ち、体脂肪として蓄えられにくいのです。しかし、チョコレートが高カロリーであることは確かです。農林水産省の食事バランスガイドでもチョコレートなどの嗜好品は1日200kcalを目安としています。市販されている板チョコレート1枚でも200kcalを超えるものが多いため、食べ過ぎには注意してください。

 

健康効果はカカオ70%以上のチョコレート

チョコレートに健康効果を期待する場合は、少なくともカカオ分70%以上のハイカカオチョコレートやビターチョコレートを選んでください。現在は、チョコレートのカカオポリフェノールの抗酸化作用が注目されていることから、市販のチョコレートでも「カカオ◯◯%」とパッケージに表記されているものが増えています。パッケージに記載がない場合も、製造メーカに各製品のカカオポリフェノールの分量を問い合わせることができます。健康効果を期待する場合は、ぜひ、カカオ分が高いチョコレートを選んでください。

ホワイトチョコレートは嗜好品

ホワイトチョコレートからは健康効果は期待できません。ホワイトチョコレートはココアバターを主原料としているため、カカオが入っていないためです。しかし、カカオ分が高いチョコレートと比べ、ホワイトチョコレートは苦味がなく、甘くて食べやすいことが特長です。嗜好品として楽しんでください。

 

チョコレートは、甘くて美味しい嗜好品。しかし、美味しいだけではなくチョコレートの成分であるカカオポリフェノールは健康にも大きく貢献します。チョコレートはカロリーが高いため、食べ過ぎには注意が必要ですが、適度な分量を摂取し、ぜひ健康に役立ててみてください。