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健康コラム

風邪や肌あれ、老化…冬の乾燥から健康を守る「水分補給」

空気が乾燥する冬は、お肌の老化が進行する?

気温や湿度が四季折々に変化する日本。冬になると、西高東低の気圧配置による季節風が列島の山岳地帯にぶつかり、乾いた空気だけが太平洋側に吹いてきます。というわけで、太平洋側の地域(とりわけ本州)の冬は乾燥の季節。東京の2015年気象庁データを見ると、6~8月の月別平均湿度が70%を超えているのに対し、1~3月は50%前後と確かに低くなっており、最も低い日は10%以下などということも。

さて、空気が乾燥していると体にどのような影響が出てくるのでしょうか。湿度の低い日は洗濯物がよく乾くように、人の肌からも水分がどんどん抜けていってしまいます。すると、目に見える状況として、まず皮膚がカサカサになります。ひどくなるとひび割れしたりして、肌が大きなダメージを受けることになります。

また、寒い時期に肌が乾いたとき、脇腹や背中、二の腕あたりが痒くなってきた経験はありませんか。これは低い気温によって血のめぐりが悪くなり、皮膚に栄養が行きとどかなくなることも影響しています。痒くなるのは肌が何らかの訴えをしているとも言え、そんなときは十分な保湿を心掛けて肌乾燥を食い止めましょう。特に高齢になると代謝機能が低下するため、冬の乾燥はより注意が必要です。

 

乾燥は体内にも影響を及ぼす

粘膜の乾燥にご注意

乾燥は皮膚ばかりではありません。鼻やのどなどの粘膜の乾燥にも十分注意したいもの。鼻や口腔内の粘膜が乾いてくると炎症を起こしたり風邪をひきやすくなったりします。


体の乾燥とは別の話ですが、インフルエンザウイルスは低温・低湿度環境で活発に活動し始めます。冬場にインフルエンザが猛威を振るうのはそのためで、乾燥している冬は、そうした感染症にも注意を払う必要がありますね。

脱水症状は体にとって大きなリスク

体の表面ばかりではありません。お肌が乾燥するということは、皮膚を通して体内からも水分が逃げていくことを意味しています。寒い冬は、夏場に比べてのどが渇かないせいか、多くの人は水分をあまり摂らなくなるようです。その結果、気付かないうちに脱水状態となってしまうこともあるので注意が必要です。

脱水状態になると血液中から水分が失われ、血流やリンパ液の流れが滞ることで肩こりやむくみ、冷え症などが起きやすくなってきます。しかも、寒い環境では血管が収縮するため、血圧も高くなりがち。それで、「血液ドロドロ」+「血圧上昇」=「心筋梗塞&脳卒中の危険」などという、うれしくない公式が成り立ってしまうわけです。

冬に心筋梗塞や脳卒中で亡くなる人が増えるのはこうした理由からで、やはり冬の寒さと乾燥を軽くみてはいけませんね。

 

冬こそしっかり水分補給

コップ一杯の水があなたを救う

対策としては、まず寝る前にコップ一杯の水を飲みましょう。寝ている間にコップ一杯分くらいの水分が失われるため、あらかじめその分を体に補充しておこうというわけです。

朝起きたら、やはりコップ一杯の水を飲んで水分を補給しておきましょう。また、外出前にもコップ一杯の水を飲んでおくことをおすすめします。

冬場はあまりのどが渇かないため、飲み物を欲しなくなりますが、外出先でも意識的にこまめな水分補給を心掛けましょう。ただし、コーヒーやお茶はカフェインによる利尿作用があるため、たくさん飲んでもあまり意味がありません。

アルコールも同様で、ビールを大量に飲んだからといって水分補給にはなりません。スポーツ飲料は水分が吸収されやすい利点がありますが、糖分が含まれているので多量に飲むのはおすすめできません。飲むならやはり水が一番安心です。

室内は適度な湿度を保ちたい

外出先から帰ったら、まずは手洗いやうがいをしましょう。また、家にいるときは、室内を適度な湿度に保つために加湿器を利用するといいでしょう。加湿器がなければ、室内に濡れタオルを干しておくだけでもずいぶん違うものです。


このように、体の乾燥を防ぐのは特に難しいことではありません。ちょっとした気遣いで、乾燥の季節をぜひ健康的に乗り切ってください。