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健康コラム

朝食抜きの習慣が脳出血の危険性を高めてしまう!?

朝食を摂る人、摂らない人

何かと忙しい現代人。残業は深夜にまで及び、そのため朝は出勤ギリギリまで床を離れられず、起きたらすぐさま飛び出していく。こんな生活ばかりだと、ゆっくり朝食なんて食べている時間がありませんね。

世の中には、「夜に十分栄養を摂っているから朝食は不要」という人や、「ダイエットしているから意識的に朝食は食べない」という人がいます。また、「朝食は摂らないと体に悪い」という説を唱える人や、「朝食は摂らない方が良い」という説を唱える人もいて、意見はさまざまです。本当のところはいったいどうなのでしょう。

数々のデータを付き合わせてみると、結論からいえば、やはり朝食は摂ったほうがよいということになります。

特に、子どもにとって朝食は必須です。なぜなら、子どもは成長過程にあるからです。子どもが体をつくっていくためには1日3食でも足りないくらい。それを補うためにおやつという習慣があるのです。

文部科学省が、小学6年生と中学3年生を対象にテストを行って、朝食を食べる子どもと食べない子どもの正解率を比較しました。その結果、朝食を食べる子どもの方が、朝食を食べない子どもよりも、正解率が15~6%高かったということです。正解率に差が出た理由として、朝食を摂っていない子どもは血糖値が下がっていて、テストに集中できなかったことなどが考えられています。

 

朝食と脳卒中、虚血性心疾患のリスクとの関係

朝食抜きは統計的に体の危険が証明されている

では、成人の場合はどうでしょうか。すでに成長は終わっているため、朝食で体づくりをする必要はありません。

2016年1月、朝食抜きが体にどのような影響を与えるかを検討した研究結果が発表されました。このデータからは、心血管疾患や脳血管疾患を発症するリスクと朝食の関係が報告されています。

朝食をきちんと食べる人のリスクを1とした場合、朝食を食べない人は、
◎冠状動脈疾患のリスク=1.14倍
◎脳卒中全体のリスク=1.18倍
◎脳出血のリスク=1.36倍
これは1995~2010年の15年間、45~74歳の日本人男性38,678人、日本人女性44,096人を対象に生活の状況を調査し、上記の疾患について統計を取った結果です。これを見ると、朝食を摂らない群の発症率が明らかに高く、特に脳出血に関しては36%も上昇しています。

朝食抜きが血圧上昇を招く

では、朝食を摂らないとなぜこのような疾患の発症率が高くなるのでしょうか。それは、空腹によって血圧が上昇するからではないかと考えられています。この研究者は脳出血の最も重要なリスク因子は高血圧で、特に、早朝の血圧上昇が重要なリスク因子であるとしています。また、朝食を欠食すると空腹によるストレスなどから血圧が上昇することが報告されています。逆に朝食を摂取すると血圧上昇を抑えられることも報告されています。これらの報告から、朝食を欠食することで朝の血圧が上昇し、毎日朝食を摂取する人に比べて脳出血のリスクが高くなっていた可能性が考えられると考察されています。

急に血圧が上がると、心血管疾患や脳血管疾患につながることもあります。脳血管疾患は致死率の高い恐ろしい病気。朝食を抜くことが大病につながる可能性もあるんですね。


ともあれ、脳出血は致死率75%という怖い症状です。こんな統計を目の当たりにすると、やっぱりきちんと朝食を食べようという気分になりますね。

高血圧症は、心血管疾患や脳血管疾患を招くこともあります。朝食を抜くことが大病につながる可能性もあるんですね。

 

こんな朝食がおすすめ

朝食を食べているといっても、「トーストだけ」なんて人がいます。でも、朝食は1品だけでなく、できれば複数の品を組み合わせて食べるのが理想です。パン食なら、タンパク質が摂れるタマゴと、各種のビタミンが摂れる野菜は付け加えたいもの。野菜は、生よりも温野菜のほうが体を冷やさず、また量も食べられるのでベターです。ご飯食なら納豆や味噌汁がスタンダードですね。大豆には良質なタンパク質が含まれているので、毎朝食べるのもおすすめです。また、代謝を促進する効果があるフルーツを食べるのもいいですね。

朝が忙しいという方は前日から準備しておき、朝の健康的な食生活を楽しんでください。