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健康コラム

足がつるのは危険なサイン?こむら返りの予防法と病気の見分け方

気候が穏やかで過ごしやすい秋は、スポーツを楽しむのに最適な季節。大人が参加するスポーツイベントでは、1人や2人必ず途中で足がつる人がいますよね。これはどうしてなのでしょう。ただの運動不足が原因だと決めつけて大丈夫なのでしょうか。

足がつることをこむら返りとも言いますが、「こむら」とはふくらはぎのこと。第2の心臓と言われているふくらはぎがつるのは、実は危険な病気のサインかもしれません。そもそも足がつる原因は何なのでしょう。こむら返りは予防できるのでしょうか?起こってしまった時の対処法は?足がつるメカニズムと気になる病気の見分け方について解説します。

 

足がつるとは?どんな時に起きるの?

足がつるのは、筋肉が異常収縮している、または痙攣を起こしている状態を指し、激しい痛みをともなう症状です。若い世代では足を激しく使う運動中に起こりやすく、筋肉疲労が原因のひとつと考えられています。中高年になると、ジョギングやウォーキングなどの軽い運動をしているときや睡眠中に、いきなり足がつるといったケースが増えてきます。運動中に起こった場合は一過性のもので、症状が治まれば元に戻ることが多いですが、就寝中のものは一度起こると繰り返し起こりやすくなる傾向があります。

 

どうして足がつるの?原因とメカニズム

足がつるメカニズムは、実はまだ完全に解明されていないのですが、有力な要因のひとつが電解質異常と言われています。電解質とはナトリウムやカリウムなど、血液中にあるミネラルイオンのことです。ミネラルは筋肉や神経の動きを調整しているので、なんらかの原因でミネラルのバランスが乱れると、筋肉の異常興奮(痙攣)が起こるのではないかと考えられています。
ミネラルバランスが乱れる原因は主に、筋肉疲労、脱水、血行不良、ホルモンバランス異常の4パターンに分けられます。運動した時や体がむくんでいる時など、これらの条件が重なる環境下が、足がつりやすい状況となるのです。妊婦さんの足がつりやすいのも納得ですね。

 

こむら返りの予防策

足がつるのを予防するためには、原因となる電解質異常を起こさないようにしなくてはなりません。食事やサプリメントでミネラルを摂る、体が冷えて血行不良とならないようクーラーのあたり過ぎに注意する、こまめな水分補給で脱水になるのを防ぐ、運動をする時はしっかりウォーミングアップをする、など。日々の生活の中で、ミネラルバランスを乱さないよう少しずつケアをすることが大切です。
また、ホルモンバランスを整え、代謝を上げるためにはストレスをためないことも重要です。睡眠を充分にとったり適度な運動をしたりするなど、ストレス対策にも日々取り組んでおきましょう。

 

こむら返りが起きた時の対処方法

こむら返りが起こってしまったら、なるべく早く痛みを取り除くために応急処置をほどこしましょう。周囲に人が居る時は、ひざを押さえて足の先を裏側から押してもらうと良いです 。誰もいない時は、膝を伸ばしてつま先をゆっくり顔の方へ曲げるようにして、ふくらはぎの筋肉を伸ばしましょう。収縮した筋肉を伸ばすことで痛みは消えます。ただし伸ばすのはゆっくり行ってください。一気に無理矢理伸ばそうとすると筋肉を傷めてしまう恐れがあります。足のつま先に手が届かない場合は、タオルを足先にひっかけてゆっくりと伸ばすとやりやすいです。

 

危険なこむら返りの見分け方

よく足がつるという場合、「閉塞性動脈硬化症」という病気が疑われることがあります。
これは、足の太い血管が動脈硬化を起こして血流が悪くなってしまう病気で、最悪の場合、足の切断にまで至る可能性があります。
とても恐そうな病気ではありますが、自分で簡単に見分ける方法がありますので、気になる方は是非やってみてください。両足を上にあげて30秒~1分ほど足首を動かします。そうすると、もしこの病気だった場合は片方の足が真っ白になるのです。白くなるのは、足の先まで充分血液が通っていないということです。試してみて万が一このようになったら、自己判断せず医療機関を受診してみましょう。

 

大きな病気でなくても、足がつるというのはやはり何かしら体にストレスがかかっているということです。「最近よく足がつるなあ」という人は、自分ケアの時間をとって、少し体を休めてくださいね。