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健康コラム

美味しいけれど毒もある。秋が旬の銀杏の安全な食べ方とは

銀杏(イチョウ)の葉が黄金に輝く季節になってきました。銀杏の樹になる果実で少しくせのある香りの「銀杏(ギンナン)」は、中の胚乳種の部分を食べることができます。今回は、秋に旬を迎える銀杏の美味しい食べ方と食べる際の注意点をご紹介していきます。

 

銀杏とは

銀杏(ギンナン)は同じ漢字の銀杏(イチョウ)の樹になる果実です。イチョウ科イチョウ属で学名を「Ginkgo biloba」といいます。果実自体には、強い匂いがあり食用にはなりませんが、その中の殻に包まれた胚乳種の部分を食べることができます。

銀杏の原産は中国ですが、日本でも各地で自生、植樹されています。中でも愛知県の父江町が産地として有名です。9月から11月半ばにかけて収穫され、秋に旬を迎えます。

 

銀杏に含まれる栄養素って?

ちょっぴり苦みがあるけれど、とても美味しくて秋を感じられる銀杏。栄養価も高いと言われていますが、具体的にはどのような栄養素が含まれているのでしょうか?

銀杏には1個あたり約4~6キロのカロリーがあります。 100gあたりで考えると約180キロカロリーになりますが、ナッツやお菓子類に比べるとかなり低カロリーです。
銀杏には、美肌効果のあるカロチン、ビタミンC、パントテン酸が豊富に含まれ、また、体に必要なカリウム、マグネシウム、リンなどのミネラル類も豊富に含有されています。
低カロリーの割に、銀杏には様々な栄養素が詰まっているのです。

 

銀杏を美味しく食べるには

栄養豊富な銀杏ですが、どうやって調理したら良いのか分からない方もいるかもしれません。匂いの強い銀杏を食べるには下処理が不可欠。はじめに、銀杏の実を水の中に放ち、ふやけたら果皮を取り除きます。果肉が肌に直接触れると、かぶれてしまうことがあるので必ずゴム手袋をして処理をしてくださいね。銀杏の殻が綺麗になったら、今度は天日干しにして乾かします。次に銀杏の殻を取り外しますが、とても硬いので、まずペンチなどで割れ目を入れましょう。殻が綺麗に剥けたらフライパンで炒ったり茹でたりして美味しくいただきます。

 

銀杏は食べ過ぎにご注意

美味しくて栄養豊富な銀杏ですが、実は中毒の危険性があり食べ過ぎると危険な食品です。

日本中毒センターの資料によると、中毒量の目安は、子供では7~150個、大人では40~300個とされています。中毒症状として嘔吐や腹痛、下痢のほか、痙攣や呼吸困難などの重篤なケースもあり、特に子供が食べ過ぎて痙攣を起こす事故が時折発生しています。多くは90時間以内に回復しますが死亡例も報告されているため、銀杏を食べる際には必ず適量を守るようにしましょう。目安としては、大人でも10粒程度、子供には食べさせないのが無難です。

 

意外で面白い?!銀杏の雑学

銀杏というと、真っ先にあの何とも言えない匂いを思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。あの独特な香りは、酪酸とヘプタン酸という成分が原因です。バターやチーズにも含まれる酪酸は「足の裏の匂い」のもとになっているとも言われています。さらに、腐敗臭のような匂いを放つヘプタン酸と一緒になって、あの強烈な銀杏の香りを発しているのです。サルやネズミも銀杏の実の匂いを嫌って寄り付かないそうですが、アライグマは何故か気にしないで食べるというから面白いですね。

 

香りが独特で食べ過ぎると中毒の危険もある銀杏ですが、栄養豊富で秋の到来を感じさせてくれます。旬を迎える今の季節、適量に気を付けながら、美味しく安全に銀杏を食べていきましょう。