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健康コラム

1日3杯のコーヒーで、糖尿病やアルツハイマー病に効果あり?!

日本は過去3度、コーヒーブームが起こりました。第1次は大量消費の時代。第2次は、1990年代のシアトル系カフェの流行です。そして第3次は、2010年代からは安さと味をある程度兼ね備えたコーヒーと、素材を厳選した本当に美味しいコーヒーの2種類をメインにブームが起こりました。ただ、コーヒーの輸入量はブームに左右されず、戦後から一定数で増え続けています。このように日本人に親しまれ続けているコーヒーは、健康への効果があります。日本の3大疾病である糖尿病、がん、これらの予防に効果があると多くの論文で発表されています。3大疾病にどのような効果があるのか、詳しく紹介します。

 

糖尿病にコーヒーが効く?!

3大疾病のひとつの「糖尿病」の予防に、コーヒーが効くと報告されています。フィンランド国立公衆衛生研究所によると、1日3~4杯コーヒーを飲むと、飲まない人に比べ、女性で29%、男性で27%が糖尿病にかかる確率が減少したとの研究結果が発表されています。コーヒーに含まれるクロロゲン酸が、血糖値の上昇を抑えると言われています。このほか、アメリカやスウェーデン、日本の九州大学の研究でも「効果あり」という研究報告がなされています。

 

20年に渡る研究で各疾患への効果が明らかに

糖尿病以外にも、コーヒーの効果が分かってきています。国立がん研究センターの多目的コホート研究(JPHC研究)では、1990年(平成2年)頃から2011年(平成23年)まで約20年間、日本各地の40~69歳男女約9万人の健康状態を追跡しました。コーヒーの習慣的摂取と、全死亡・主要死因死亡の関係を調べています。同論文の発表によれば、コーヒーをまったく飲まない人に比べ、1日3~4杯飲む人は、死亡リスクが約24%低くなりました。
さらに、死因別に見ると、心疾患・脳血管疾患・呼吸器疾患では、1日4杯までコーヒーの摂取回数を増やせば増やすほど、死亡リスクが低くなっています。
なぜ、死亡リスクが低下したのかは、クロロゲン酸やカフェインに効果があるのではないかと言われています。幅広い疾患に、コーヒーの効果があるとは驚きですね!

 

他にも効果があるコーヒーの成分!

コーヒーには、カフェイン、クロロゲン酸、ニコチン酸類、NMPなど、病気に予防効果を発揮すると期待される成分が含まれています。糖尿病だけでなく、アルツハイマー病認知症にも効果があるとの研究結果もあります。海外の研究で1日3~5杯のコーヒーを飲む人は、飲まない人に比べ、アルツハイマー型認知症の発症が約65%低下しました。

さまざま効果のあるコーヒーですが、飲み過ぎには注意しましょう。1日5杯飲む場合であれば、かえって体に負担をかけます。心血管系疾患の発症リスクが逆に高まったとの調査もあります。特に妊娠中の女性は、カフェインの摂取は避けなければなりません。

 

 

長年にわたる調査研究の結果、糖尿病や肝臓がん各疾患、アルツハイマー病に予防・作用することが分かりました。今後の研究でさらなる健康への効果が明らかになるでしょう。毎日コーヒーを飲むことを習慣にすると、健康を保つことにつながるかもしれません。時代とともに多様化するコーヒーを楽しみつつ、健康のために愛飲してみてはいかがでしょうか。